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阪神大震災から11年そしてあのとき

阪神大震災から11年そしてあのときの

阪神大震災から11年。朝起きるとテレビ中継がやっていた。どこかの街でそして多くの建物が空中から、映し出されている。空中から映し出される限り人影は見えない。ところどころで火の手が上がっている。早く消防車は来ないのか。地上はどうなっているのだろう。それが阪神大震災のテレビから見た景色だった。

現場は本当に悲惨だったんだろう。その数字はかなり後からはっきりしたのを今でも思い出す。私のもう一つの記憶はそれから、一年ぐらい経ってからだろうか。結構見た目も悪くない中年の女性が、私の家の近くで私に声をかけてきた。「お兄さん、おなかが空いたから、何かおごってくれない」。

私は正直びっくりしたけど、逆に「どうしたの」と聞き返した。彼女はこう言った。「一年前の震災で財産を無くした]。「土地は残ったけど、親戚にあげて、知人を頼って転々としている」。「今は沖縄にいる知人を頼って沖縄にいるんだけど、その知人と喧嘩をして出てきたところだ」と。私は彼女がかわいそうだと思ったけれどいっしょにご飯を食べる気にはなれなく、彼女にいくらかを渡して「がんばってね」と言って、別れた。あれから、十年、中には彼女みたいな人もいたんだろうか。自分が知らない、でも考えれば有り得る。そのときの自分の対応にも情けないけれど、今、彼女はどうしているだろうか。



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